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先の見えない会議を開催するバイヤー

 気持ちが重くなる会議があった。

議題は、中国製品の採否決定だ。

 最近新しい考え方が導入されて、例えばサプライヤーを変更する手続きが、かなり難しくなっている。これってどこの会社も同じなんだろうか?ともかく、これまでが何もしていなかったかのように、いろいろなことを準備しなければならない。そう、中国製品の採否と書いたけど、今回の問題は社内だ。

 今回の会議は、4月に行ったサプライヤーの工場監査を受けて開催したもの。会議そのものは、監査結果をサプライヤーへ伝えて、改善の促す、といった内容だ。全くの王道を歩んでいこうとしている。価格的な魅力があっても、品質的に受け入れられない製品はダメだ。これは一方的に日本国内で確保できる品質を押しつけているわけではない。最終的に組立が完了した後、製品となって必要な品質を踏まえての決定だ。闇雲に海外調達品だから、といっていない分、重く受け止めなければならない。

 しかし今回はもう一つ、厄介な問題がある。需要集中による納期遅延問題が絡んでいる。

 対象の製品は、もともとヨーロッパにある工場で生産した製品を購入していた。ところが前年度比200%を超える旺盛な需要により、生産混乱を起こしてしまっている。実際、納期照会をしても「本当に納入されるのか?」との疑念は拭えない。

 折しも、私の担当している事業は、新工場を立ち上げて生産能力を増やしたばかり。工場はあっても、組立てる製品がなければどうしようもない。新工場の責任者は「品質保証がOKしなくても、中国から買う!」と息巻いている。そして、既に超法規的な中国向けの注文書は発行されている。今月末には生産開始の予定だ。

 工場監査結果は、思わしくないものだった。以前に同様のケースで改善活動を行ったときには、一年半の年月を費やして、成果を得ることができた。一ヶ月無い中で、何ができるだろう?私が会議の席上に、どうしますか?と話を振ると、

 「何か作戦を考えないといけないよね」

 との、肯定とも否定ともとれる悩ましい発言のみ。そして具体策はない。また前例の無い事に挑戦する訳か。ま、それも楽しいから良いか。

 「もっと荒れる会議なるかと思っていました」

 出席者の一人が耳打ちしてくれた。中国製だからでの拒否反応がなかったということか。ってことは、闇雲に中国製を否定する雰囲気から、抜け出せたと言うことか?うん、そう思うことにしよう。何気ない耳打ちに救われた、そんな会議だった。

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